滝の音と構造物が生む景色が幻想的!:沈堕(ちんだ)発電所跡(大分県豊後大野市)

大分県にある公園のすぐそばにある発電所の廃墟

ちょうど野暮用があって大分に行くことがあり、そのついでに県内の廃墟をいくつか周る予定だったが、ここはその一つとして考えていたところだ。実はここに行く前に、別府市にある志高ユートピアに訪れたものの、解体工事が進められている最中で、中の様子を伺うことはできなかった。
その後、向かうことになったのがこの沈堕発電所跡。大分空港からレンタカーで1~2時間、大分自動車道を経て走った場所にある。大分米良インターを降り、山へと車を走らせる。元々、縦横無尽に道路が走っている地域ではないこともあり、少々渋滞に巻き込まれながら到着。「ちんだの滝ふれあい公園」が目印だ。
公園ではあるが、どちらかと言えば地域の広場的な感じになっており、特に遊具などはなかったと思う。

早速、廃墟に向けて公園から滝に向かう通路に足を運ぶが、すぐに廃墟の全容が見下ろせる場所についた。

公園名に入っている「沈堕の滝」は室町時代から知られた滝であり、明治時代末期に西洋の石造建築技術をもって建てられたのが、この沈堕発電所だ。
廃墟としては実にシンプルで天井などが落ち、中にあったであろう構造物もすべてないことから石造部分の外側だけが遺っているだけだる。滝に向かう途中の道を少し川に降りるような感じでそれると、中にはいることができた。

降り立ってみると、蔦に覆われた石壁の空間に囲まれる。滝の音を感じることができ、同じような廃墟でも、少し違った風景を見ることができる。
見どころとして、そんなにたくさんあったわけではないが、明治時代末期からあると言われる建築様式には心を打たれるものがあった。

この発電所の役割は、大分~別府間に電車を走らせるため、豊後電気鉄道株式会社によって建設されたことがはじまり。
大正5年に九州水力電気株式会社と合併するものの、鉄道事業の採算が難しくなってくると、そこから別部門として切り離されることになったと言われている。

ちなみにストリートビューで記録されていたので、行きたくてもなかなか行けない人はこちらでも楽しめるようになっている。

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所在地

大分市内から国道10号線、57号線と乗り継いでJR豊肥本線、豊後清川駅を目印に来ると沈堕の滝がある。
沈堕の滝自体は観光スポットとなっており、ビューポイントから滝と一緒に発電所跡を一望できる。
発電所跡を間近で見たければ、側道に入りちんだの滝ふれあい公園手前の無料駐車場を使うのがいいだろう。

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