瀬戸大橋開通、その傍らで忘却の彼方に追いやられたホテル廃墟
小与島は瀬戸大橋が通る与島のすぐ隣りにある小さな島。その島に南国風のホテル廃墟が残っている。3階建て、全28室ですべての部屋から海を眺めることができるという豪華リゾートホテル・・・となるはずだった。
アクア小与島は、岡山県倉敷市にある有名な廃墟でホテル・ラ・レインボー、ラ・レインボータワーと同じ株式会社ラ・レインボーが瀬戸大橋開通に合わせて小与島に建設されたリゾートホテル。
リゾートホテルにしたのは小与島は小さな島だったこともあり、島ごとリゾートアイランド化する計画からだ。その先駆けとして、このホテルを建築するに至ったのだろう。
確かに瀬戸大橋が通らないとは言え、すぐ隣の与島は比較的大きな島で、しかも橋の途中で休憩できるサービスエリアを設置するなど充実した場所になることから、その近くにレジャー施設を作ろうというのは自然の発想だし、そのような事例もなくはない。
小与島へは与島から専用艇を5分で結ぶことが計画されており、その名残なのか与島の港近くには車を多数止めることができる大型の駐車場も存在している。
ただこのホテル廃墟が開業していたかどうかはよくわからないところがある。
実際に訪問してみたところ、ホテル廃墟で見られるような施設を利用した痕跡があまり感じられず、開業間もなくして倒産した可能性が考えられる。
実際には運営会社が1997年に倒産しており、2000年には閉業していたという話もあるが定かではない。
さて訪問についてだが、冬場はともかく、夏近くになると雑草が行く手を邪魔するので、すぐ近くに見えるのにたどり着くのに少し手間取る可能性もある。
また先述の通り、廃墟の状態としてはかなりいい状態で残っており、訪問の難しさもあって輩に荒らされている形跡はあまり見られない。
開業まもなく閉業したということが理由かも知れないが、思ったよりは大味感の強いホテル廃墟であるものの、与島や船から見るその姿はこの廃墟特有のなかなかのものだ。
その昔、ドラクエとかそういったゲームでマップ上では見えるのに、海を渡る船がなかったり条件を満たしていないから行けないような場所があることを経験したことがある人も少なくないかもしれないが、なんとなくそんな感覚で見てしまう廃墟だった。
所在地
小与島への定期航路はない。訪問には岡山側なら坂出、香川側なら丸亀の港から出ているチャーター船を利用する必要がある。訪問が難しい廃墟だ。
