室戸岬もう一つの大型廃墟、国民宿舎むろと(高知県室戸市)

スカイレストニュー室戸の陰に隠れた大型廃墟

室戸岬のよく知られる有名廃墟といえばスカイレストニュー室戸。その特異なデザインからファンも多い。

しかしそのすぐそばに大型の宿泊施設廃墟があることはあまり知られていない。これも多くの雑誌やメディアに取り上げられたスカイレストニュー室戸の輝かしい実績によるものだが、こちらの国民宿舎むろとも廃墟の魅力としては引けを取らない存在だ。

1970年1月に室戸スカイライン開通に伴う観光客の受け入れ態勢充実を目的とし、室戸市から高知県に国民宿舎建築の要望が出された。それに基づき、1971年7月から開業した。

当時としては珍しいデザインだったのか、本館屋上である3階部分に駐車場を設け、ロビーも3階から入るという構造だった。それに加え、総工費が1億2500万になったこともあり、当時の厚生省からデザイン含め「凝りすぎている」という理由で、国民宿舎の認可が下りにくかったと言われている。しかし県道から国民宿舎の場所に向かうには坂道を下る形になるため、このデザインは理にかなっていたのではないだろうか。

2005年の10月31日をもっては行となり、2007年に室戸市が売却の公募を行ったが、解体費用や国定公園法の制約によって買い手がつかず現在に至っている。

内部は荒らされていること以外は閉業当時そのままの状態であり、お土産品が今も残っていたりと一定の年齢層以上の人は懐かしく感じるものもある。

スカイレストニュー室戸ほど崩壊は進んでいないものの、錆びついたガスボンベが放置されているなど安全な状態ではないことは確かだ。

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所在地

室戸岬から県道203号線を車で8分ほど登った場所にある。県道から少し細い道へ入らなければいけないが、わかりにくいこともあるので、注意する必要がある。室戸岬へは高知市や徳島市といった主要な都市からのアクセスがクルマで2時間以上かかるため、アクセスは少し困難だ。

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