静かにたたずむ埼玉県最古の水力発電所廃虚:矢納水力発電所(埼玉県神川町)

埼玉県最古の水力発電所

埼玉県北部を流れる神流川のそばにある水力発電所で埼玉県内では最古の水力発電所と言われている。
近くには神流湖という湖があるのだが、この土地一体の特徴は高低差の激しい崖のような場所が多くあるということである。
高低差を必要とする水力発電にとってはうってつけの場所だったということだろう。
この発電所が作られた目的は川越電気鉄道の動力と、東松山市、小川町、秩父市への電力供給のためで、1914年(大正3年)に建てられた。
しかしその後、矢納水力発電所上流に下久保ダムが建築されたことにより、1966年(昭和41年)に閉鎖となった。
発電所としてのスペックは以下の通りである。

使用河川
利根川水系神流川
認可出力
1,100kw
有効落差
70.85m
使用水量
2.23㎥/S
水車
HE-2RS 950kw ホワイト製2台
発電機
横軸回転開錠 1,375kwA 芝浦2台

特に2006年に入ってから、美しい建築に魅せられた人が多く訪れたそうだが、2015年には観光地化の噂が広まり、現在は周りを覆っていた木々が伐採され、柵が設けられるなどの対応が取られている。
神川町が管理者として整備を始めたと言われている。

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矢納水力発電所の廃虚としての美しさ

矢納水力発電所はレンガ造りの建築物であり、かつて森の木々が発電所を覆っていた頃は、鬱蒼とした木々の間から顔を覗かせるレンガ造りの大型建築物として、廃虚としての美しさを備えた物件であった。
発電所廃虚の特徴として、ほとんどの場合、発電施設は撤去されているものの壁や床には設備を接続するための跡が残っていることが多く、この矢納水力発電所もそんな風景を楽しむことができる場所だ。

所在地

関越自動車道、本庄児玉インターチェンジから秩父方面に国道462号線十石峠街道を走り、県道331号線を神流川沿いにゆくと到着する。

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