静かな住宅街にある未成廃虚:ブラックマンション(茨城県笠間市)

本来は9階建てになる予定だった未成マンション

笠間市内のごく一般的な住宅街の中にある未成廃虚である。

近くに小学校や保育園が点在しており、JR常磐線笠間駅からもそう遠くない位置にあることから、ベッドタウンとして機能している街なのだろう。
このマンションもおそらくファミリー層に向けて建築された物件だったことが想像できる。

バブル経済が崩壊する直前だった1991年1月に建設がスタート。しかしその翌月に(政府見解で)バブル景気が終了していることから、まさにバブル期最後に建設されたマンションと言えよう。本来は9階建てになる予定だったが、3階まで作った段階で工事が放棄されたものと見られる。おそらく資金がショートしてしまったのだろう。

その後、20年以上放置されてしまっていることを考えると、もはや誰も買い手はいないということなのだろうか。

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未成廃虚らしいコンクリートの構造物のみがそびえ立っている

廃虚としての特徴は未成廃虚らしいコンクリート打ちっぱなしのみの構造、ということだ。

上水道を通す配管も電気設備のための廃線設備も何もない。建物の中腹にエレベーターを入れるための構造はあるが、当然9階部分まで作られていないので、エレベーターのかごもない状態だ。

廃虚のまわりは草木が生え放題となっており、管理もされていないのだろう。住宅街の中にこういった廃虚も実は珍しいのではないだろうか。

またマンション壁面がいたるところに落書きされているのは、このような廃虚の運命なのだろうか。しかしコンクリートしかないために、破壊されているという感じではなさそうだった。

ちなみにブラックマンションの名前の由来は不明だ。心霊スポットとも言われているが、おそらくコンクリートが風雨や、すぐ側の国道から出る排ガスの影響で黒ずんでしまったことが原因なのではないかと推察する。

所在地

JR常磐線岩間駅から見た場合、国道355号線まで出て、北東方面に行くとすぐそばにブラックマンションが立っている。
あまりにも自然な感じで建っているということと、まわりを覆う木々のせいで見落としてしまいそうになるくらい目立っていない。

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