【再開発】ディストピア感ある廃墟:夕張自動車教習所(北海道夕張市)

夕張自動車学校跡 ― 廃墟から“再起動”した教習所の記憶
北海道夕張市にかつて存在した「夕張自動車学校」は、1970年代から地域に根ざした自動車教習所として運営されていましたが、2001年頃には閉業したと見られています。
筆者が訪問した当時、敷地内には教習所の座学用、または管理用と思われる建物が一棟残っていましたが、すでに大きく歪み、ぐにゃりと曲がった外壁が危険な状態となっていました。老朽化が著しかったその建物も、現在は解体され、跡形もなくなっています。
広大な教習コースにはアスファルトのひび割れが広がり、その隙間から雑草が伸び、信号や標識が朽ちかけたまま残されていました。まるでゾンビ映画のロケ地のような光景で、時の止まった風景がそこには確かに存在していました。
しかしこの場所には、静かな変化の兆しが現れます。
廃墟の終焉と立入規制
2018年ごろには主要な建物の倒壊が進み、瓦礫の山と化していたことが確認されています。その後、敷地には立入禁止の看板やロープが設置され、現在では無断での立ち入りが明確に禁止されています。廃墟好きにとっては魅力的な被写体だった場所ですが、安全上の理由からも、訪問には十分な注意が必要となっています。
モータースポーツ施設として再生
さらに驚くべきことに、この旧教習所跡地は2022年から2023年にかけて再開発され、「夕張バリバリモーターパーク(通称:バリバリサーキット)」として生まれ変わりました。
教習時代の面影を残す坂道発進コースやS字カーブ、信号設備などをそのまま活かしつつ、ジムカーナやドリフト走行などが楽しめる小規模サーキットとして再利用されています。廃墟と化した施設が、再び車と人の熱気に満ちた場所へと再起動したのです。
所在地
JR石勝線新夕張駅から車で国道452号~道道38号を15分程度走らせた道沿いにある。かつて存在していた場所なので、現在は廃墟として現存はしていない。