ケーブルカーの車両と小さな駅舎が地元の名スポットに
屋島ケーブルはかつて屋島登山鉄道が運行していたケーブルカー路線。起点となる屋島登山口駅と屋島山上駅、約800mを結ぶ。
1929年に開業してからは、四国第八十四番霊場の屋島寺に向かう巡礼者のための足となっていた。その後、利用客の減少により2004年、運営会社の屋島登山鉄道が自己破産を行い営業休止。廃線に至った。
廃止後は乗合タクシーや新屋島水族館の開館に合わせたシャトルバス運行により屋島山上への公共交通機関が復活。営業停止となった屋島ケーブルカーの運行再開を求める流れもあったが、実現には至らなかった。
写真にあるのは屋島登山口駅の駅舎とケーブルカー「義経号」。実は当時の姿そのままというわけではなく、2015年に車体のサビ落としと再塗装が行われている。現在は緑色になっているが、かつては白い車体に赤帯のラインが入った塗装だった。
そういった意味で完全に廃墟というわけでもなく、かつての公共交通機関の名残として観光名所のようにも思える。
なおこの「屋島ケーブル」の名は正式名称ではなくあくまで通称である。正式な路線名がないというのは珍しいかもしれない。
所在地
琴電志度線「琴電屋島駅」から歩いて4分程度の場所にある。車でのアクセスも可能だが具体的な駐車場がない。周囲の道が狭いため、電車での移動が無難だろう。