バブル期の遺構として代表格:ホテルキャデラックハウス(山梨県北杜市)

バブル全盛期時代の遺産

山梨県北杜市、JR小海線の清里駅より車で国道141号線を南下した場所にあるthe Hotel Cadillac House(通称:キャデラックハウス)はバブル期に若者の社交場として利用されていた施設だ。
バブル時代は当時の言葉で言うとすればバカンスを過ごす場所として清里がその中心となっていた。清里駅のまわりも廃墟と化してはいるものの、最近再び脚光を浴び始めている側面があるらしい。
それはともかく、そんな当時の若者が集まる遊び場として使われていたそうだ。
この施設の成り立ちは有名で、元プロ野球選手の江夏豊氏がオープンしたと言われている。オープン日時は1985年4月28日と、まさにサラリーマンが青春を謳歌するような時代であり、キャデラックハウスの名の通り、オープン当時は1950年代のアメ車などが展示されていた。
バブル時代は車を持つことがステータスであっただけに、今の時代から考えれば不思議な施設だったのかもしれない。そんな成金のような施設も1996年あたりで営業が終了。どのような施設であるにせよ、バブル時代に作られたようなものはだいたいこのあたりの年代で破綻してしまっているところが感慨深いものを感じる。

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廃墟としての構造

1階部分は受付(フロント・ロビー)、キャデラックミュージアム、レストラン。2階が宿泊用客室とプールラウンジ。地下の中空になっているようなスペース(地下0.5階といったところか)がバースペース、地下1階がクラブラウンジとなっている。
バブル期に建てられたものの中でも、比較的その残り香がしっかりと遺されているところであり、訪問時は廃墟でよく見るような破壊された跡や落書きは見るものの、思ったよりも状態がいいことを確認している。
当時としては高級感あふれる施設だったことは伺えるが、実際のところハリボテのような作りになっていた箇所もあり、虚栄とはこういうものなんだな、と考えさせられた。
見どころとしては地下施設、バースペースではないだろうか。特にバースペースのモノクローム調のデザインは、今にはないものがあると思っている。
客室はシングルベッドを2つ並べて、壁には芸能人が使うような化粧室の鏡みたいなものが取り付いている部屋がほとんどだ。ナンパした女の子をこの部屋に連れ込んで悦に浸ったあと、女の子は鏡を使って化粧直しでもしていたんだろうか、とか考えるとちょっぴりドラマ性を感じてしまう。

所在地

車窓からの景色が風情あるJR小海線(八ヶ岳高原線)の清里駅から国道141号線を車で10分ほど走らせた場所にある。
場所さえわかっていれば難なくたどり着くことができるだろう。清里駅を背に走った場合、ショッピング施設が右手に見えるがこれを目印にすると良い。
ペンションが集まる集落に向かう交差点そばにあるが、時期によっては草木が生い茂っているため全景を確認するのは難しい可能性がある。

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